あまね

在宅医療推進のための会

【2023年度第3回在宅医療推進のための会】

12月1日東京都ステーションコンファレンス東京にて、「地域で育つ医療的ケア児を支援する」というテーマの研修会が開催され、講師をさせていただきました。
在宅医療推進のための会とは、在宅医療を先駆的に実践している医師を中心に、在宅医療の担い手だけでなく、厚生労働省をはじめとする行政職員、医療や経済学などの研究者も交え、国内に真の在宅医療を広めるための研究会として実践の紹介や協議を行っている会です。

会場とオンライン配信によるハイブリッド開催で、会場が約30名とオンラインを合わせると全国から125名にご参加いただきました。
小児医療や在宅医療でご活躍されている諸先生や厚生労働省やこども家庭庁、保健所等の行政関係者がご参加されており、名簿を拝見して大変緊張をしておりました。

会は、あおぞら診療所の前田浩利先生と大阪府立母子保健総合医療センター位田忍先生の進行により、先に北海道のソルウェイズ代表の運上昌洋さんと田村卓也先生がご発表されました。運上さんと私は、全国重症児者デイサービス・ネットワークでも理事としてご一緒しており、共にショートステイ・G・Hの設置に向けて情報交換をしています。ソルウェイズは法人内の看護師が70名もいらっしゃるということですが、重症児デイや訪問看護で重症度の高い医療的ケア児をお預かりされています。制度としてあるものだけでなく、地域づくりといえるような様々な活動に改めて感動しました。

次に、あまねの取り組みについて私からお話ししました。福祉事業所がクリニックを開設するに至った経緯、成人移行への対応、ショートステイの利用状況や今後の展開、報酬面の課題等をお伝えしました。それから、質疑応答と総合討論へ移りました。
会の会長である山形県庄内保健所の蘆野吉和先生から、「行政職員と協働するコツのようなものはあるか?」という内容のご質問をいただきました。
コツを掴んだわけでもなく、悩んだりうまくいかないことも多々ありますが、あまねは、佐賀大学病院小児科の教授や先生、地域の在宅医療の先生、保健所の保健監の先生、地域の医療関係者と連携していただいています。医療と福祉が連携している姿を行政関係者にお伝えしながら、一歩ずつ進展させ、時間をかけて信頼関係を作ってきたと思います。

今、私は、あまねクリニックを無床診療所から有床診療所へ変更するために動いていますが、親身になって協働してくださる行政の皆様に支えられています。
医療的ケア児の暮らしを支えていくためには、医療・福祉・教育・介護それぞれの多機関の連携と協働が必要だと思います。あまねの力だけではどうすることもできません。
改めて支えてくださる関係機関に感謝いたします。

このような機会を与えてくださった前田先生、事務局の勇美記念財団の皆様、ご参加くださった皆様ありがとうございました。

【2023年度第3回在宅医療推進のための会】
(東京・大阪小児在宅医療推進のための会 合同開催)
会場:ステーションコンファレンス東京
住所:東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー
テーマ「地域で育つ医療的ケア児を支援する」
講師:
運上昌洋氏(NPO法人ソルウェイズ 代表理事)
田村卓也氏〔手稲渓仁会病院 小児科副部長(小児集中治療科長)〕
大野真如(一般社団法人あまね 代表理事)
事務局:
公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団