佐賀県保健所長会 会長
古賀 義孝様
多機能型拠点「あまねくいっさい」の開業を心よりお喜び申し上げます。
貴法人は、平成26年に放課後等デイサービス「いーはとーぶ」を立ち上げられて以降、平成28年に重症児デイルーム「AQUA」開設により、重度心身障碍児の児童発達支援の追加、令和元年多機能型事業所「いーはとーぶ」開設により、医療的ケアの充実と着実に歩みを続けて来られました。
そして、このたび佐賀大学医学部小児科と連携され、診療所併設の多機能型拠点「あまねくいっさい」を新規開業されるに至られました。
ここまでの道のりは、決して平坦ではなかったかと思いますが、まさに「あまねくいっさい」の日々を積み重ね、多くの人のご縁に恵まれ、見事に成し遂げられました。
今後更に相談支援、訪問診療・訪問看護、入浴サービス、地域交流に加え、短期入所や災害時の支援機能を備えた在宅支援拠点として発展されることを心から期待しております。
佐賀県にとっても、この施設は一隅を照らす希望の光であり、全国に誇れる財産であると思います。
事業のますますのご発展と運営の皆様方のご健勝をお祈りして、祝辞と替えさせていただきます。
小児科 教授
松尾 宗明様
大野様はじめ「あまね」の関係者の皆様、この度は、多機能型拠点「あまねくいっさい」の開設誠におめでとうございます。
クリニックにグループホームと短期入所、障害児通所事業所が併設された施設ということで、医療的ケアを必要とする障害児者の方々にとって理想的な形で事業を発展させていただき、とてもありがたく思っております。
代表理事の大野様が障害児者のための施設を作りたいので協力してほしいということで大学を訪ねて見えたのが5年ほど前でした。
それ以来、様々な困難にもかかわらず行政など関係機関と粘り強く交渉を重ねながら、ここまで事業を発展してこられた熱意と努力には本当に頭が下がります。
医療の進歩に伴い障害を持ちながらも在宅で過ごせる子供たちが増える一方で、その子供たちと家族への支援はまだまだ不十分な状況です。小児の在宅医療では、患児本人はもとより家族のQOLを考える視点が必要となりますが、医療機関のみでその問題を解決していくのは不可能です。
そんななかで、「いーはとーぶ」「アクア」は、単に患児家族の負担軽減というだけでなく、預けられる子供たちも安心して楽しめる生活の場を提供してこられました。私が外来で診ているお子さんたちもたくさんお世話になり、皆様とても喜ばれています。
今回の多機能型拠点は、障害を抱える子供たちの将来までを見据えた支援施設となっています。
これを機にますます事業を発展され、より多くの子供たちとご家族が安心して楽しく生活していける場を広げていっていただきたいと思います。
本当におめでとうございます。
鎮西本山松尾山護國光勝寺貫首
松島 日應様
この度は、「あまねくいっさい」の開設、誠におめでとうございます。
他に類のない本当に素晴らしい施設が完成致しましたこと、心から御祝い申し上げます。
この福祉事業というものは、心から相手を考え思いやる労りの心なくしては出来ないものであります。代表理事である大野真如さんは、看護師として現場の経験から患者様の痛み、苦しみをケアなさってこられました。
また、様々な活動に精力的に取り組まれ、その知識経験は、この事業を展開する大きな原動力になられた事と拝察致します。
さらには、僧侶として発心、正に相手の仏性を敬う心を持たれ、障害を持つ子供さん達に親身になって対応されるその志は、敬服するばかりです。仏教で申します所の菩薩行(自分の事より他の人の事を重んじ自ら他の為に行う行動)そのものでございます。
事業の目的に「どんなに重い障害があっても、地域で安心して最後まで暮らす事が出来る社会の実現」とあり、私共僧侶が目指すこの世の中を仏の世界にしたいという願いと一致するものであります。
まさに福祉とは、相手を仏様と捉える仏教の心なくしては成り立ちません。
この施設名の「あまねくいっさい」でございますが、法華経化城喩品第七に説かれるお経の言葉で、「願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道」(願わくは此の功徳を以て、普く一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成ぜん)の『普く一切(あまねくいっさい)』とあります。
このお経は、全てを平等に一人も漏れることなく全てを仏の世界に入れさせてあげたいというお釈迦様の悲願を表しています。
この精神で施設を運営される事は、社会福祉事業に於いて必要不可欠な精神であり、他の施設の手本となるものと確信しています。
お釈迦様が我々にまず初めにお示しになった行は、布施行です。これは金品の事だけではなく、人様の幸せ作りの為に自分の力を与える行です。
福祉や介護というのは、正に布施行そのものであると認識しています。
従事される職員の方々は、毎日が布施行であり、それが菩薩行へと繋がって参ります。
そしてまた御利用になられる方々に仏の心を気づかせてくださる無二の存在なのです。
心から合掌させて頂きます。
結びに「あまねくいっさい」をはじめ全ての福祉事業のさらなる発展をご祈念し、お祝いの言葉とさせて頂きます。